A3の用紙を一枚使って世界を変えるアイデア結果発表!

受賞作品発表!

応募参加者数412名、応募作品数403作品、たくさんのご応募ありがとうございました。
厳正なる審査の結果、以下の作品が見事受賞いたしました。

◎ 主催 公益社団法人日本広告制作協会(OAC)◎ 協賛 株式会社宣伝会議 株式会社Too

課題

自分で課題を発見。
そして社会をよりよくするためのクリエイティブなアイデアで解決策を提案する。

受賞作品

OACゴールド チェンジメーカー 1作品

該当者無し

OACシルバー チェンジメーカー 1作品

日本大学 工学部 生命応用化学科 福島 未彩

OACブロンズ チェンジメーカー「宣伝会議賞」 5作品

  • 滋賀県立大学
    人間文化部 生活デザイン学科
    遠藤 颯希
  • 立命館大学
    文学部 人文学科
    河本 菜緒
  • 立命館大学
    文学部 人文学科
    田中 冴佳
  • 長岡造形大学
    造形学部 視覚デザイン学科
    古沢 菜月
  • 上田情報ビジネス専門学校
    情報経理科 医療秘書コース
    矢澤 ひかり ・ 今井 麻友 ・ 小林 麻優

OACダイヤモンド チェンジメーカー「Too奨励賞」 1作品

阿佐ヶ谷美術専門学校 視覚デザイン科 梅谷 美里

準入賞 12作品

  • 東北芸術工科大学
    デザイン工学部 企画構想学科
    高橋 莉子
  • 上田情報ビジネス専門学校 
    建築学科 インテリア住環境コース
    渡辺 涼 ・ 岡田 克海 ・ 滝原 海南
  • 女子美術大学
    芸術学部 デザイン・工芸学科
    大貫 美佳
  • 東京工科大学 
    コンピュータサイエンス学部 山本 聖樹
    名古屋学芸大学 
    メディア造形学部デザイン学科 豊嶋 優
  • 千葉大学
    工学部デザイン学科
    川上 陽平
  • 東京大学大学院 
    農学生命科学研究科
    中山 宗一郎
  • 東京大学大学院
    工学系研究科 小澤 巧太郎
  • 滋賀県立大学
    人間文化部 生活デザイン学科
    山本 紗也
  • 東京学芸大学
    教育学部教員養成課程
    多田 佐和子
  • 女子美術大学
    短期大学部 造形学科
    西村 真那
  • 東京都立小山台高等学校
    佐藤 誓
  • 女子美術大学
    デザイン・工芸学科
    大山 香織
学校別応募内訳はこちら

講評

今回は45校403点の応募数を数え、過去最高の応募数となりました。
また今回は、高等学校からの応募が10校を数えました。徐々に浸透してきたのかもしれません。

今回の審査は、まず50点に絞ったうえで担当部会の「教育支援部会」メンバーで行い、受賞作を決定いたしました。
OACゴールドは残念ながら該当者無しとしました。応募数は多かったのですが、審査員一同「コレだ!」と思えるアイデアが無かったのが正直なところです。さて、各作品をみていきましょう。

「車内の安全性を高める」
東京モノレールの車両の一部分がこんな感じではあります。ですが、逆転させてみるアイデアと、吊皮や手すりを多く設けて、安全性を高ようとする視点が評価を受けました。

「蛇口をしっかりしめるようになるアイデア」・「水をムダにしないアイデア」
全く同じアイデアが届きました。これは簡単で、実効性のあるアイデアですね。

「地域の街歩きを楽しくするアイデア」
スマホがこれだけ普及すると、電話ボックスの使用頻度は減るのは致しかたありません。でも災害時での使用など、とっさのときの対応には役立つはず。「地域駆け込みボックス」という役割を与えた視点はいいですね。
しかし、(例)であげられたものは、スマホなら絵もあるし、もっとわかりやすいかもしれません。
なので、もう一ひねりして、「地域駆け込みボックス」として必要なことって何かを考えてみてもいいのかな。
近所のトイレを探すとか、より身近な何かとか・・・ね。

「地球に!主婦に!優しくお肉を売るアイデア」
なるほど、ジッパーに入れて売っているのは見たことがない。もちろん、ジッパーだから開けられることは難点ではあります。
そこを何か工夫できたら・・・。

「くるぶれら」
写真を使っているところをみると、実際につくってみたのかな。使い心地はどうなのかな。試してみたくなりました。

「分散乗車を促し電車の混雑を減らすアイデア」
乗車率は重量で量るのかな?課題は、大部分の人はいつも乗る車両が決まっていること(降りる駅に合わせて乗ってますよね)。
分散させる方法が見つかればいいんだけど。

「OHANA」
ハワイの言葉で「家族」なんですね。「水と優しい言葉をかけると綺麗に花が咲き、ひどい言葉だと枯れてしまう」。なるほど、仕組みまでは言及されていないけど、あってもいいかもしれません。

「楽しいから笑うんじゃない、笑うから楽しいんだ:笑顔認証付機能ドア」 確かに、そうですね。笑ってみるのは良いかも。でも、幼稚園が対象だと考えると、無理に笑顔にならず自然な感情の発露があったほうが良いのかもしれません。泣いたり、怒ったり、笑ったり、ふざけたり、それが当たり前の時代ですからね。

「誰もが譲り合う優先席にするアイデア」
「席を譲りたい人、座ってください」ん?パッとみた瞬間は意味を飲みこめませんでした。
席を譲る意志ある方、のことですね。座ってくださいは余計かもしれません。
優先席の文字の下は、「席を譲れる方+(優先される方のマーク)」などシンプルなほうがよいかもしれません。床のシートのアイデアは、なるほどねと思いました。

「ドーナツを道路に描く」
高速道路の長時間運転や北海道などの直線の国道に、ドーナツの絵や地域の特産品の絵を描く。アイデアですね。運転している人が、安全で且つ楽しめるものはまだまだあるのかもしれません。

「外国人観光客に安心して飲食店に入ってもらうアイデア」
対応できる言語に応じて、国旗マークの「いっらしゃいちょうちん」を設置。少し心配なのはその国旗のマークを見て、言語対応とわからせる仕組みをどうするか。アメリカの料理を食べさせるのか、せっかく来たんだから日本料理を食べたいのに・・・。そんな勘違いも起きそうかな。マークのデザインでもっと変わるのかもしれません。

「もう、待ち合わせ場所に困らない!!! Middle Spot〜中心地店、教えます〜」
単純に二人の中心地点ってどこだ?がわかるって面白いと思いました。でも実際は、飲み会にしろデートにしろ、どこかに行くという目的があるので、二人の間の中間点で会うことはまず無いでしょうね。もちろん、咄嗟に「お前いまどこ?飲めない?」となれば、「じゃ、中間のあそこで!」はあるでしょうが、めったにあるわけではありません。何か違う使い道があるかもしれませんね、もう一ひねり!

「COW TOPIA」
大胆な発想ですね、街型牛舎。でもここまで大きくやるとなると、個々で畜産業を営む方が共同で行う必要があるかもしれませんね。また、畜産家の方が地域との交流を目指すなら、牛、豚、鶏などもいたらもっと面白くなるかも。ただし、問題はニオイ。この課題をどうするかも鍵ですね。

「イベントごみぶくろ」
家庭教育で分別マナーとありますが、単純に楽しめば!と思いました。各自治体で分別の方法は違うのが実情ですし、指定のゴミ袋でないと回収しないところもあります。なかなかハードルが高いのですが、町のゴミ置き場が雪だるまで重なっていたりすれば楽しいですよね。景観にも貢献しそうです。

「zoo-ko」
図工の先生向けアプリ。美術・書・技術などの先生方は何校かを掛け持ちで受け持っていたり、中には体育の先生が受け持ったりと、たいへんな状況のようです。デジタルの技術をうまく利用しながらも、実際に子どもたちが手を動かすことは変わらない。あくまで先生をサポートする点にしぼっている点が、いいですね。

「KA-SAN MAP」
子育てって、人類が共同体をつくってからは「みんなで育てる」のが基本だったようです。最近の話しですよね、お母さんやお父さんが一人で育てる姿が増えてきたのは。本当はこんなサービスなんてなくても、気楽に頼める人がいてほしいですよね。さて、多くの子育て経験者は、自分の子どものときよりはうまく出来ると思っている人が多いかもしれません。ボランティアでもいいからやってみたいと思う人もいるのでは・・・。「評価に応じて給与UP!」と、もちろんお小遣いになればそれはそれでいいのですが、仕組みをもう少し練ってみてもいいかもしれません。

「車に採点機能をつける」
このアイデアは目のつけどころの観点から選びました。高齢者の運転事故の約30%は、「操作不適」。アクセルとブレーキの踏み間違えやハンドル操作がうまくできないケース。クルマによっては、どちらかに寄り過ぎたハンドル操作の際に、警告音を鳴らしたり、もちろん自動運転技術も進んでいくことでしょう。採点は結果なので、運転中に警告音などのほうが効果はあるかもしれません。また何点以下だと危険性が高いと判断するのかも課題です。頑固なお年寄りは、たまたまだ!と言うかもしれませんからね。もう一ひねり!

「電車に簡単に乗れる車イス」
これは実際に見て、感じたんでしょうね。私も、確かに決った時間、決まった電車に乗り込んでくる車イスを使用している方が、駅員さんに手伝ってもらって「ありがとうございます」と言って乗り込む姿を見ています。
障害の度合いによって、電動タイプの車イスでなければならない人もいますし、様々です。このアイデアが本当に実現可能なのかは正直わかりませんが、目のつけどころから選びました。なお、スイスの学生が開発した車イスがYou tubeで紹介されています。 https://www.youtube.com/watch?v=z_uMsts55zU

ほかにもありそうです。アイデアが浮かんだら、世の中にあるのかも調べて、更に考えていきましょう。

さて、皆さん取り組んでみていかがでしたか。課題はすぐ見つかりましたか?
課題は日常の中にありますが、 問題意識って、意識しないと見えてきませんよね。何か疑問に感じていたり、こうだったらいいのになぁ、と日頃から思っていると、色んなものに関連が生まれて、全く別のものを見ていても、「あ!」が生まれたりします。

画家のピカソは、ずっと絵や陶芸など美術のことを考えていると、蜘蛛の巣を見ているときでも何かが浮かんでくる。と、昔の本で読んだ覚えがあります。そのピカソは、こんなことも言っているようです。
「アイディアは出発点以上のものではない。固まったらその先かたちを決めるのは思考だ」

意識していないとアイデアは生まれない。経験や体験で覚えていることを組み合わせて生まれてくるのが、アイデア。本を読む、外で自然に触れる、身体を動かす、人と会う、恋をする、フラれる、いろんな経験や体験を積んでいきましょう。思いついたことを書いてみましょう。 そして、そのアイデアを実現させるために、調べてみましょう。あ、もう世の中にあるんだ!それでもいいじゃない。それに気づくのも経験。どんどん、考えていきましょう。振り出しに戻るかもしれません。

でも、そうしているうちにまたフッと、何かが出てくるかもしれません。だって、やらせされているんじゃなくて、自分で面白がって、自分で自分に宿題を出して解いているんですもの。もっと、もっと面白がってくださいね。

そうそう、もう一つ!アイデアが固まり、調べてみて、よし!となったら、次はどう見せるか、相手にどう伝わるか、相手のことを想像してみましょう。自分自身がこれを見て、読む気になるかも想像してみてください。
A3一枚。逆に難しいと思う人もいるでしょうが、企画を通すには、パッと見て、さほど説明しなくても伝わるもののほうが良いと思います。うまい下手は関係なく、言葉や絵も、アイデアを通す大事な役目を果たします。誰かに見せたり、いろいろと吟味してみてください。

公益社団法人 日本広告制作協会 事務局長 三上峰生