THE ORGANIZATION OF ADVERTISING CREATION
OAC 社団法人 日本広告制作協会
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■2012 OACクリエイティブフォーラム
「ソーシャルコミュニケーションの明日」開催のご報告

2012 OACクリエイティブフォーラム 「ソーシャルコミュニケーションの明日」
〜クリエイティブと社会貢献〜
日 時 2012年3月14日(水) 13:30〜16:30
会 場 東洋インキ株式会社 会議場
参加者 71名(うち学生24名)

第一部
「ポポポポーンの記憶」〜3.11以降の公共広告
講演者 草川 衛氏

震災後の公共広告に関してACでも相当苦慮していた様子。メディアフィーが無償なので、メディア戦略が立てられない。従って表現に規制がある。
3.11以降、ポポポポーンが占有したため、昨年の広告媒体費を換算すると2820億円という高額となった。そのため消費者から税金の無駄づかいをやめろという、誤解されたクレームが多かったそうだ。
また、コンテンツでは、サウンドロゴがうるさいと云うことで、民放連にストップがかかった。
しかし、ドキュメンタリーなコンテンツにはクレームが付かなかった。
そこで、ACジャパンからのメッセージとして5つを整理してあげてみる。
1)シンプルで明解なもの
2)工夫があるもの
3)問題解決の糸口まで見えるもの
4)上から目線になっていないか
5)傷つく人がいないかどうか
ACジャパンの基本は「洞察と人間愛」である。

第2部
「デザインにおける社会貢献の可能性」
講演者 福島 治氏

「祈りのツリー」プロジェクトの発起人である氏は、数々の賞を獲っているクリエイターである。その氏が前口上でアメリカでは、ハーバード大を出た人が、大企業へ就職せず、NPO へ就くという現象がおきている。日本でもNPO団体が増えて3万になった。
氏が、賞を獲ること以外に社会にできることがないかと熱く語り、クリエイターと社会貢献を様々な視点から紹介した。「祈りのツリー」は、著名なクリエイターが自らの手で創った作品であり、被災地で飾り、楽しんでもらい、東京で販売をして、売上げを寄付するというプロジェクトである。
それに人々は感銘。その他、JAGDA主催の東北復興支援チャリティやさしいハンカチ展では、会員から600点の応募があった。そして、コーズ・マーケティングの紹介もあり、物質ではない心の豊かさを訴求していた。
クイズ形式で、日本の国の豊かさについて4択で挙手を求めた
1)24位
2)50位
3)75位
4)101位
からである、正解は3)の75位である。

第3部
「すべての人につたえる力」〜ユニバーサルデザインの明日〜
講演者 井上 滋樹氏

ユニバーサルデザインは、深く広いということで、特にグラフィック系ユニバーサルデザインにフォーカスして紹介していただいた。
情報弱者を含むあらゆる人とのコミニュケーションを強化していく。そのためには、科学的なロジック、人間工学的な観点を持つことが今後のコミニュケーションデザインの課題である。
映画「ブラックレイン」の日本の薄汚れた飲み屋街のひとコマが紹介された。大阪というシチュエーションであるが、日本語の電飾やサインが意味不明なのである。アメリカ人(外国人)から見れば、日本語はこう見えているというサンプル。
これは、ダイバーシテイマネージメントが必要で、人種や国籍、障害、年齢、性別などの多様性を考慮しなさいと云う例であった。
特に日本語は、タテ・ヨコの組、そして漢字・かな・カタカナと多彩である。
フォントの設定も重要なファクターなのである。また、見方が大人と子供では、目線の位置が変わる。ここでも人間にやさしい志向が必要だ。

以上で全ての講演が終了。午後のお忙しいなか、講師の方はもとよりご参加いただいたみなさん、ありがとうございます。


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