経営部会・開催報告

業務領域の拡大・業態転換などについて、意見交換しましょう!『会社の姿をどう変えて行くか』
勉強会 開催報告

  • 開催日2018年11月13日(火)18時~19時30分
  • 会 場セットインターナショナル(株) 会議室
  • 経営部会の勉強会、本日はおふたりの方に現在進行中の業務改革についてその内容、経緯、成果、苦労している点などをお話しいただき、その後、意見交換に移っていきます。まずは、セットインターナショナルグループの (株)ウィズダムパートナーズ 田實公二さんより、『社員の能力向上を目指した取り組みについて』お話しいただきました。

社員の能力向上を目指す

  • 田實さんは、もともと新しいことに挑んでみたり、新しいことを提案するタイプだったと語ります。
    セットインターナショナルでは、海外展開もしておりタイもその一つ。タイにはトヨタのディーラーも各地にある。そのディーラーとサッカーを結び付けられないか。そこで、様々な地方のチームを各地方のディーラーが応援する仕組みをつくり、現在はトヨタ・タイ・リーグとしてプレミアリーグが存在しているそうです。当初はタイのサッカー事情も知らない状態で、手探り状態から調べ、交渉し実現に漕ぎ着けたそうです。
    そんな、新しいものにチェレンジしたり、企画を実現させる面白さを社員にも伝えていきたい。

  • こんな想いから、セットインターナショナルグループでは各グループ会社から総勢 25 名の幹部、中堅社員を募り、2018年8月下旬からほぼ週一回、1時間程度の『社員能力向上プログラム』を実施。

1. 取組みの理由

  • ① 外的要因:サバイバルゲーム
    1. ・制作しているだけではない、コミュニケーション業としての広告の世界への変化。
    2. ・クライアント側の変化。業界内の分業・共存の世界から、他業種からの参入など垣根を無視した生存競争の時代に。
    3. ・IoTの深化など、従来得意としてきた分野を超越した技術などもの凄いスピードで世のに浸透。

    生き残るためには、時代に即した、さらには次代を先取りし他社と差別化した提案が出来ることが必要。

  • ②内的要因:閉塞感、他人事感の蔓延

    社内の雰囲気

    1. ・良い意味で人が良い
      (他人との競争を好まない、波風を立てない)
    2. ・職人気質(好きなこと、やりたいことをやりたい)
    3. ・新しいことをやるのが苦手

    人材。経験の不足

    1. ・企画が得意な人材が少ない(型にはまった仕事が多く、コミュニケーション下手)
    2. ・傾向が違う仕事をした経験を持たない人材が多い
    3. ・自発的に動くことが苦手

    現有のマンパワーを活用するためには、個々のスキルや知識、意識を向上、変革させることが必要。

2. プログラムの目的とゴール

  • 目的

    厳しさを増す周辺環境に立ち向かい、勝ち続けていくために現有の戦力を活用できるものとすべく、個々の持つ力を向上させる。

  • ゴール

    1. ① プラクティスを繰り返す過程を踏まえ、実際にクライアントへの提案が行えるようにする。
    2. ② 上記を継続することで、真の『提案型広告会社』となる。

3. プログラムの考え方と進め方

    1. 1. 自前で実施する
    2. 2. 営業職、クリエイターなど参加者の仕事の形態が異なるので、現場でのノウハウもさることながら、各職種の共通する心構えや、留意ポイントにも重きを置く
    3. 3. 必要項目をPDCAに分類。まずはPLANを強化、向上させ、移行する。
    4. 4. 一方的なレクチャーではなく、現実のワークグループを想定した編成とし、グループディスカッションでターゲットならびに課題を抽出。
      模擬プレゼンテーション会を行う。
    5. 5. 優良と思われる提案を選び、実際にターゲットとなるクライアントにアプローチ。
      受注、業務の拡大を狙う。

社員能力向上のためのファクター

PLAN 提案し受注へ(仕事を生み出す力) DO 実施(仕事をやり遂げる力)
着眼力・発想力 目のつけどころ・発想法・課題の発見 コミュニケーション力 関係者と信頼関係を結ぶ
情報収集力 必要情報を集める、選ぶ トラブル対応力 不測の事態にどう対応するか
チェレンジ力 難しいことでも逃げない 管理力 効率的な人・モノ・金にマネジメント
企画力 5W1Hをきちんと押さえる
書類作成力 理解しやすく、要点を外さない
プレゼン力 説得性があり、共感を呼ぶプレゼン
ACTION 改善策 策定(レベルを上げる力) CHECK 振返り(問題点を発見する力)
展開力標準化し、他や次の提案に活かす 評価力 過程と結果についてフェアな評価

本日11月13日までの実施プログラムと今後の予定

  • 1. 着眼力、発想力を高める
  • 2. チャレンジする気概を持とう
  • 3. 問題解決の手法=課題発見の手法
  • 4. 最新の業界事情(IT、情報処理、通信関連)
  • 5. VRの普及と最新技術

そして今後は

  • 6. 企画書作成の要諦
  • 7. プレゼンの実際
  • 8. ワークショップ(取組み課題の抽出)
  • 9. ワークショップ(模擬プレゼン)
  • 田實さんは『私はコピーを書く人、私はデザインをする人・・・ではなくて、皆が考えて創り上げていく体制にしていきたい』と述べ、その後、意見交換に。

  • 杉谷部会長
    『このプログラム後、当面のターゲットとなるクライアントは直クライントですか?』

  • 田實氏
    『当社はほぼ直クライアントの仕事で、狙うのはやはり直クライアントとなります』

  • 杉谷部会長
    『東海林さんのところでも、代理店の仕事以外に直クライアントの仕事にも積極的に動き始めているようですが』

  • 東海林
    『直クライアントとの仕事をするにあたり、営業職を採用しディレクターと一緒に動き始めているが、いまのお話を聞いて思うのはプランナーを育てるのは大変だということ』

  • 田實氏
    『確かにそうですね。この辺りは、常日頃から街中などで、何故あれはこうなっているんだろうと、疑問を持つクセをつけることも大事かもしれません』

黙っていても仕事が来る時代から、黙っていては何も来ない時代へ

  • 続いてのお話は、スタヂオ・ユニ佐藤昭一さんが担当。

    スタヂオ・ユニは、今年60周年を迎えた老舗制作会社。伊勢丹との関係で今日まで存続してきて、強みは毎週チラシをつくり続けてきたパワーかもしれません。
    しかし、このところ大阪・千葉・松戸、来年以降は府中・相模原・新潟の店舗閉店が決まっている。従来の仕事が減ると同時に、紙からデジタルへの移行が進んでいます。出版・編集業も大変ですが、その彼らが伊勢丹のカタログを低コストで受注するなど、先ほど田實さんが述べられたように、本当にサバイバルゲームの様相を呈しています。
    仕事は黙っていては来ない!その意識をクリエイター達にどう植えつけていくかが課題です。

  • 今年4月に平均年齢32歳くらいのWeb系会社とうまくタッグを組むことができ、同じ社内で一緒に仕事をし始めました。数年前からグラフィックデザイナーがWEBも出来るようにと社内で取り組んできており、コンテンツをつくる部分を面白がっている。しかし、WEBサイトの設計までを求められると自社内ではまだそこまでのチカラはないので、このWEB会社と組んだ次第。
    ちなみに、デジタル化へのキッカケは『ハガキDMの予算でWebコンテンツでやってみない?』と声を掛けられ、経験は無かったけれど『やってみる!』と答えたことがスタート。あの時、うちでは無理と断っていたら、いまの姿でいられたかどうかもわからない。

戦略を考えて実行へ

  • タッグを組んだWEB会社のメンバーは、戦略を考えられる。彼らと共に、この先は新たなクライアントの開発に向かっていきたい。スタヂオ・ユニの強みは、イメージ広告を得意とするのではなく、クライアントが何を売りたいのか、お客様に何を訴えたいのかのセールスプロモーションを軸とする広告づくり。この強みを外に向けていきたいと思っている。また今後はストラテジーチームとクリエイティブチームがタッグを組み、新規案件を獲得していきたい。
    なお今期の売上比率は伊勢丹77%:その他23%。この、その他の比率を4割にもっていきたい。最近ではコンペの引き合いも出てきて、アパレルメーカー、JRA、厚生労働省などから受注出来たりと、提案する楽しみがクリエイター達にも浸透し始めている。
    自らの強みを活かし、今後も生き残っていくための手を打っていきたい。

    佐藤さんのお話しが一通り済み、再び意見交換へ。

  • 水野氏
    『当社では高島屋の仕事を中心にしていますが、佐藤さんが仰るように依存し過ぎるのはよくないと思っています。ところで、グラフィックとWebの話しも出ましたので当社のことを例にとると、グラフィックデザイナーとWebデザイナーが乖離しているように見える。特にグラフィックデザイナーにWebも学んでほしいというと、抵抗が強い人(特に40歳以上)が多いように思える。マインドを変えるのは、なかなか難しい』

  • 佐藤昭一氏
    『確かにそうで、特にデザイナーが変わりにくい印象があります。また、逆にそれを活かして、年配のグラフィックデザインチームをつくるのもありかもしれない。そう思ったりもします』

  • 梶原理事長
    『当社でも従来は紙ありきの仕事でしたが、いまはWebありきになっている。Webディレクターは社内にいるが、実際の制作は外部とのコラボレーションで行っている』

  • 水野氏
    『Webとグラフィックの両方がわかり、プロデュースや企画できる人材が欲しいし、育てていかなければと考えている』

  • 東海林氏
    『現状だとデジタルの料金や利益より、グラフィックのほうが高い傾向にある。もちろんデジタル分野も受けているが、売上に差がある。Webを安い料金で請け負う個人や少人数のところが出現していることも影響しているのかもしれない』

  • 佐藤昭一氏
    『SNSで食いつく人も多いし、一般の方々が映像や写真など投稿している。そんな中、プロが強みを発揮できるようにするにはどうしたら良いか』

  • 塩崎氏
    『Webのほうが仕組化しやすい点はあると思う。ある一定量まで仕事をしていけば、パターンやルールを蓄積でき、その後は海外で作業をしてもらうなども可能。企画の部分はまだまだ必要となる』

  • 東海林氏
    『AIに関していうと、取入れて使いこなしていこうと思っている。メディアも変わっていくし、スマホの次に何かが来るかもしれなし。次に何が来るのかは、常に気を配っておきたい』
    さて、話は人事評価にも及び・・・

人事評価が課題

  • 佐藤昭一氏
    『いま悩んでいるのは人事評価のこと。指標をどうするか・・・』

  • 湯浅氏
    『いまは既存の人事評価のシステムを改良して運用。誰が何の仕事を何時間といった部分を見積もりに反映させている』

  • 東海林氏
    『クリエイティブに関してはどう評価するかが課題』

  • 佐藤文則氏
    『クリエイティブに関する評価はアナログで、鉛筆なめなめ。またクリエイターの費用は製造原価に入れて考えている』

  • 水野氏
    『当社では、数値目標50%・組織貢献30%・自学自習20%という目安を設けているが、これでクリエイティブを評価できるのかという意見も多い。常に模索している』

  • 野﨑専務理事
    『上げる評価、下げる評価、評価基準は社員に何を聴かれても答えられるように理論武装しておくことが必要』

  • 佐藤昭一氏
    『40代からクリエイティブ能力って下がってくる印象がある』

  • 東海林氏
    『クリエイティブ力が落ちていると自分では気づかない傾向がある。この辺りは、丁寧に説明していく以外ないかもしれない。また、売上の上がらないチームは評価を下げざるを得ない』

  • 梶原理事長
    『以前、年輩者の給与を下げたところ、優秀な部下がそれを知って不安を抱き、辞めてしまったという苦い経験がある』

  • 佐藤文則氏
    『給与を上げていくと、本人はそれに合わせた将来設計を考えていきがち。給与の上げ下げに関しては、その基準を明確にし、社員が納得できるかたちに持っていかなければいけない』

鬱病の社員に関して

    • ◇ 30代半ばの女性で鬱病となり、半年休みを取り、その後復帰。しかし、まだ休みがちであり、困っている。

    • ◇ 鬱になる要因も様々。家族の死、その他の要因も重なり鬱になり、その後自宅勤務などもあり、10年。そんなケースもある。

    • ◇ 就業規則に、医者から復職が可能という診断書をもって判断する内容を盛込んだ。様々なケースを想定して、就業規則を見直すことも必要。

    • ◇ 仕事自体もそうだが、周りの社員に与える影響も大きいようなら、充分な話し合いをもったうえで辞めてもらう方向を考えざるを得ない場合もありうる。

    • ◇ 採用する際には、こうなるとは思っていないし、その要因が社内にあったとすると、そこは反省しないといけない。その場合は許せる範囲内でまずは対応していく。

  • 等々、まだまだ話は尽きないようでしたが、時間となり本日の経営部会勉強会は終了した。